僕が通っていた幼稚園には、送り迎え用の幼稚園バスがあった。
バスは赤いバスと青いバスの2台。
別に家が遠い・・・という訳ではなかった(徒歩で10分くらい)が、僕がバス通園をしていたのは親の都合だろうか?
ちなみに僕は赤バスの6コースだった。
バスは朝に幼稚園を出ると、まず僕の待っている停留場に止まる。
当然最初に乗り込むから席は選び放題で、僕はいつもいちばん前の席に座っていた。
それからバスの市内巡りがスタートしていく。
時間にすると1時間くらいだろうか。
車好きの僕にとっては、それが一番楽しい時間だった。
実際小学生になると、バスに乗る機会もなくなっていく。
たま〜に見る赤い幼稚園バスが、ちょっと羨ましく感じていた。
それからしばらく後、僕も自分で車を運転するようになった。
近所でたまにすれ違う幼稚園の赤バスを見るたびに、いつも一番に乗った思い出が甦ってくる。
ところがある日見かけた時、ちょっとした違和感があった。
「・・・あれ?」
確か仕事は休みの日で、暇だった僕は思わずそのまま車で追いかけてしまう。
バスが園児を降ろすために止まると、僕は少しアクセルを開けて追い越す。
バックミラーに映ったバスは、確かに赤い色をしていたが、僕の見慣れた赤バスではなくなっていた。
簡単に言うと「今どきのバス」になっている。
「まあ、そりゃそうだよな」
僕がそう思えるまで、一瞬の間があった。
確かによく考えれば、幼稚園を卒園してから20年近く経っている。
いくら大事に使ってたとしても、当然バスだって寿命があるだろう。
頭では納得していたが、何か微妙な気持ちだった。
数時間後、僕は昔通っていた幼稚園にいた。
十数年ぶりに敷地に入り、懐かしい校庭を眺めてみると、そのサイズの小ささに驚いてしまう。
当時はまるでビルのように感じていたジャングルジムも、今は自分の背丈から少し高いくらいだし、森のように感じていた校庭の隅にある庭園も、今や普通の庭だった。
自分が感じている以上に時間は経っている。
バスが新しくなった訳も、ちょっと納得できた気がする。
僕は軽く頷きながら、車のエンジンをかけた。
車庫に入っていた「新しい赤バス」が、少し遠慮がちに見えたのは気のせいだろうか?
バスは赤いバスと青いバスの2台。
別に家が遠い・・・という訳ではなかった(徒歩で10分くらい)が、僕がバス通園をしていたのは親の都合だろうか?
ちなみに僕は赤バスの6コースだった。
バスは朝に幼稚園を出ると、まず僕の待っている停留場に止まる。
当然最初に乗り込むから席は選び放題で、僕はいつもいちばん前の席に座っていた。
それからバスの市内巡りがスタートしていく。
時間にすると1時間くらいだろうか。
車好きの僕にとっては、それが一番楽しい時間だった。
実際小学生になると、バスに乗る機会もなくなっていく。
たま〜に見る赤い幼稚園バスが、ちょっと羨ましく感じていた。
それからしばらく後、僕も自分で車を運転するようになった。
近所でたまにすれ違う幼稚園の赤バスを見るたびに、いつも一番に乗った思い出が甦ってくる。
ところがある日見かけた時、ちょっとした違和感があった。
「・・・あれ?」
確か仕事は休みの日で、暇だった僕は思わずそのまま車で追いかけてしまう。
バスが園児を降ろすために止まると、僕は少しアクセルを開けて追い越す。
バックミラーに映ったバスは、確かに赤い色をしていたが、僕の見慣れた赤バスではなくなっていた。
簡単に言うと「今どきのバス」になっている。
「まあ、そりゃそうだよな」
僕がそう思えるまで、一瞬の間があった。
確かによく考えれば、幼稚園を卒園してから20年近く経っている。
いくら大事に使ってたとしても、当然バスだって寿命があるだろう。
頭では納得していたが、何か微妙な気持ちだった。
数時間後、僕は昔通っていた幼稚園にいた。
十数年ぶりに敷地に入り、懐かしい校庭を眺めてみると、そのサイズの小ささに驚いてしまう。
当時はまるでビルのように感じていたジャングルジムも、今は自分の背丈から少し高いくらいだし、森のように感じていた校庭の隅にある庭園も、今や普通の庭だった。
自分が感じている以上に時間は経っている。
バスが新しくなった訳も、ちょっと納得できた気がする。
僕は軽く頷きながら、車のエンジンをかけた。
車庫に入っていた「新しい赤バス」が、少し遠慮がちに見えたのは気のせいだろうか?
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