30代の自分達の世代のことを「ファミコン世代」と呼ぶ人達がいる。
以前はそう呼ばれることに少し抵抗があったが、最近は自分でも納得してしまうのが、もしかしたら「歳を取った」ということなのだろうか・・・。

「ファミコン」こと「ファミリー・コンピュータ」が発売されたのが、確か小学校2年生の時。
当時はクラスで1人か2人くらいしか持ってる人がいなく、そいつの家はもう友人達の溜まり場になってしまっていた。
やがて少しずつ買う人が増え始め、やがてはクラスの半分以上が保有するようになり、クラス内での話題はゲームに統一されていく。

・・・そんな中、僕は買ってもらえなかった。
別に家にお金がない訳ではないと思うが、何故か両親が買ってくれない。
「同じのあるでしょう?」
母親にねだると、必ずこういう言葉が返ってくる。
確かにうちにはパソコンが存在していた。
それでゲームとかもしていた自分だが、当然クラスメイトの友人達は持っている訳もなく、話題には乗り遅れてしまう・・・という状況が続く。
そんな自分に劣等感さえ感じていた。

発売2年後、僕が4年生の時。
「昨日、ジュースこぼしちゃってさぁ・・・」
友人の言葉に、僕は敏感に反応した。
彼の話によると、昨日愛用のファミコンにジュースをこぼしてしまい、電源が入らなくなってしまったそうで。
理解のある彼の両親は、「修理するよりも安い」とのことで、早速新しいファミコンを買ってくれたそうだ。
持っていない僕からすると、もうかなり羨ましい話。
「その壊れたのくれない?」
僕の申し出に彼は少し驚いたようだが、どうせ捨てる物だから・・・ってことで、快く了承してくれた。

その日の学校帰り、僕は彼の家によって壊れたファミコンを受け取った。
なるほど外見が少しネバネバしており、ジュースの名残が残っている。
僕は自宅に戻ると早速テレビに繋いでみたが、当然何も映らない。
その後は自分でも驚くくらい、頭がフル回転して対策を考えていた。

少し前のテレビで「パソコンの電子パーツは大量の水で洗浄する」と言う事を聞いた記憶があった。
ということは、基盤さえ問題が無ければ、綺麗な水で洗うと綺麗になる筈・・・という方程式は、友人の話を聞いた時から僕の頭の中で完成している。
水道水には塩素が入ってるから、一旦湧かしてそれを抜いて、冷ましたお湯にファミコンの基盤を1時間ほど浸け置き。
その後水分を綺麗にティッュで拭き、再度組み立てて電源を入れると・・・なんと無事に動作してしている。
問題なく表示されねゲーム画面に、涙が出るほど感動していまった。

その日から、僕の家にはファミコンが装備される。
「どこから持ってきたの?」
と聞いてきた母親に僕は得意気に事情を説明し、取りあえずだが理解は得られる。
なんか自分で1つの権利を勝ち取ったような、なんとも言えない満足感があった。

・・・ただ1つ問題。
それはその日から、ことあるごとに母親が「壊れた物」を貰ってくるようになった事。
そんな訳で僕の実家には、電子レンジやビデオデッキなど僕の手が入ったの作品が、今も現役で活躍している。

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